着物お仕立て&お直し.com、一級和裁技能士の西澤伸弥でございます
いつもご覧下さり、ありがとうございます
「紬」の中で東西の横綱と言われるのが、「結城紬」と「大島紬」です
シュッシュという心地良い衣擦れの音と軽快な裾裁き・・・着物でありながらスーツ感覚で着られ、雨に強く、皺にもなりにくい生地・・・そして、緻密な絣合わせと織の技術で作られる着心地の良いお洒落な着物・・・それが「大島紬」です
着物好きの方が憧れ、現代感覚にマッチし、技術的に作ることが難しく、だからこそ是非一度は着てみたいと言われるのが、華やかな印象の「龍郷柄」です
今回はその幾何学模様の柄を生かしたお仕立てをさせていただきました
基本的に単衣仕立てよりも袷仕立ての方が柄合せやすいのですが、なるべく合せてみました・・・どうぞ、ご覧ください
背すじ、脇、衽の柄合わせはもちろん、胸元は、上前も下前も柄を合わせます
上前と下前の掛衿の柄、そして衿先部分もも合わせます・・・ここが一番難しい箇所です
衽は「摘み衽」にして・・・衿は、実は少し斜めに縫っています
衿を斜めに縫うことにより、掛衿の斜め部分までも柄を合わせることができました
そして唯一、合わす事をしなかったのは「袖付け」です
袖付けの柄を合わせるには、袖口を深く縫う必要があります・・・今回は単衣仕立てですので、袖口がかさ張るよりもスッキリ感を優先いたしました
ちょっと専門的な説明になりますが、褄下の縫い込みは袷に仕立て替えた時のことを考えて、縫込みを切らずに、二回織り込んで仕立てました
いしき当ては、単衣のヒップ部分の補強や透かし止めに効果的です
いろいろな衿裏やいしき当ての生地なども、当店でご用意させていただきます
兵庫県佐用町のひまわり畑
睡蓮柄の男物浴衣/お仕立て 兵庫県 S.K様