着物お仕立て&お直し.com、一級和裁技能士の西澤伸弥でございます
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9月のお仕立て (http://kimono-oshitate-onaoshi.com/仕立て替え/52436914/)で、「衿を折らない道中着」 をいたしましたが、今回はそれの袷バージョンを承りました
直線的ではなく、緩やかカーブを描いた衿で、衿の上部は曲線で狭く、下部は直線で広くなって裾まで続いています・・・このような衿姿は、胸元が優しく見えます
黒と白のモノトーンですので、お仕立て方でアクセントをつけるために 「松皮菱仕立て」 をしてみました
道中着やコートは羽織と違って、玄関先で脱いでから入室するのが正式なマナーです・・・裏返した時にさり気なく見えるのがオシャレです
コートや道中着に用いられる 「松皮菱仕立て」 は、和裁技術の最盛期といわれる大正時代に生まれた職人仕事で、名前の由来は、胴ハギの縫い目のギザギザが松の皮の形状に似ているからです
このギザギザの形状は縫い方によるもので、切ったりはしていません・・・解けば、元通りの通りになります
飾り紐はバイアスで仕立てて、紐の中には綿を入れて、少しボリューム感をもたせました
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訪問着/お仕立て 東京都 T.М 様