着物お仕立て&お直しcom、一級和裁技能士の西澤伸弥でございます
いつもご覧下さり、ありがとうございます
「結婚式で、祖父の紋付羽織を着たいと考えているのですが、袖が短いため8cmほど出していただきたいのと、家紋の部分が黄ばんでいるため、キレイにして欲しいです」 というご依頼でございました
しかし、裄直しの縫込みを確認しましたところ、袖にも身頃にもありませんでした
このような時は、「割り布」を使った方法しかありません
割り布はどこから調達するのか?といいますと・・・ズバリ!衿の中から取り出します
まずは衿をほどいて、布巾を半分に切って、「割り布」を取り出したら、衿を再び付け直します
そして、袖を一から作り直すこと・・・「割り布」を使って、表は袖付け側で、裏が見えにくい袖口側で「割り接ぎ」をして布巾を広くします
これらの作業により、裄を8cmも長くすることが出来ました
裄がかなり長くなりましたので、たとう紙に入れるのは大変でしたが、何とか納まりました
大きな富士山に、順風満帆の帆掛け舟、そして縁起物を一杯に抱えた伊勢海老を描いた、豪華な肩裏です
< 前の記事
振袖/袖丈直し 大阪市 M.Y様
次の記事 >
2020年5月/仕事場の玄関アプローチ工事完成!