着物お仕立て&お直しcom、一級和裁技能士の西澤伸弥でございます
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ふっくらとした手触り・・・体が包み込まれるような優しい温もりで、着るほどに肌になじむ結城紬は、昔は「最初は丁稚に着させて、生地が柔らかくこなれてから店主が着る」とも言われました
着るほどになじむ「経年」を味わい、人生と共に歩む楽しみのある織物です
その結城紬を使って、少し珍しい「通し裏仕立て」のご注文を承りました
「通し裏仕立て」とは一枚の裏地で仕立てる方法で、フツーの着物に見られるような形の胴裏と八掛に分かれていません
師匠から教わった話しでは、大昔の着物は「通し裏仕立て」で「引き摺り」として着用していたため、すぐに裾が切れたそうです
その対策として後に考案され、現在の着物の「胴裏+裾回し(八掛)」の形になったそうです
お客様から支給された墨流し柄の裏地ですが、少し長さが短かったため、衿裏に白い布を足しました
通し裏仕立てでは「袖口布」は付きません
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