• Facebook
  • Instagram

SCROLL

お仕立て・お直し事例 キモノの仕事に携わる職人たちが集まって作ったサイト
「着物お仕立て&お直し.com」でのお仕事の、ほんの一部をご紹介させていただきます

子供物、七五三 全体直し

七五三/お宮詣り祝着にお直し 大阪府 K.K様

2015年04月13日

着物お仕立て&お直し.com、一級和裁技能士の西澤伸弥でございます
いつもご覧下さり、ありがとうございます

七五三でお召しになられた子供用着物を、「元のお宮詣りの祝着にお直ししてください」というご依頼ですお直しの作業内容は、袂袖(たもとそで)を大名袖に仕立て替えて、肩上げと身上げをほどいて、綿紐を共布の紐にして付ける位置を変えます
最近では、お宮参りの際に祝着のみを羽織るだけの簡素化したスタイルが主流になりつつあります

写真下の紐飾りは、「輪鼓(りゅうご)」と言います
平安時代に中国から伝わった木を鼓の形に削った独楽(コマ)の玩具をモチーフにしたものです

昔から、魔物は背中から忍び寄ると言います
幼子の魂を守るため、母親達が着物の背中に縫い取った小さな魔除けのしるし・・・それが「背守り」です
「背守り」や「紐飾り」の縫い目が魔物を睨む・・・という風習の向こうに、ご先祖様の生きる哲学が見えてきます

これは知人が持っている昔の紐飾りの見本帳をコピーしてもらったモノです
紙のページに糸で刺繍しているのですが、表紙には「明治辛未(かのとひつじ)」と書いてあります

辛未(かのとひつじ)とは、干支の一つで西暦1871年(明治4年)らしいです・・・今が2015年ですから、現時点で何んと、144年も前の見本帳ということになります

七五三では袂袖(たもとそで)ですが、お宮詣りの祝着では大名袖にします・・・何故、大名袖なのでしょうか
一説には、子供は魂が落ち着かず、ひとたび出た魂が再び入る時に、入り易くするために袖口を広く明けておくという俗信があります

カテゴリー

過去の記事