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お仕立て・お直し事例 キモノの仕事に携わる職人たちが集まって作ったサイト
「着物お仕立て&お直し.com」でのお仕事の、ほんの一部をご紹介させていただきます

小紋、染め、色無地 お仕立て

私の一門のお仕立て

2019年10月12日

着物お仕立て&お直し.com、一級和裁技能士の西澤伸弥でございます
いつもご覧下さり、ありがとうございます

先日、あるお客様が「寸法見本の着物ですが、このようなお仕立てをしてをしてください」と言って、反物とお着物を持ってお越しになられました

そして寸法見本のお着物を一見してすぐに、私と同じ一門の、先輩の作品と分かりました
仕立て方といしき当ての付け方に特長があるんです(寸法見本は黒い市松柄の方です)

私の一門は「絵羽でなく小紋でも、なるべく柄が合ったように見せるように縫う」「市松柄はすべて合わせるように縫う」という、暗黙の了解のようなところがあります
もちろん、どうしてもならない場合も有ります

先輩のは、上前も下前も衿元の柄が合っています

このような柄の場合、配列を気にせずにランダムにするか? キレイに市松に並べるか?・・・半分だけ規則正しく並べるか?の何れかになります
今回は、先輩の作品に習い、キレイに市松に並べることにしました(私のはグレーの市松柄です)

もちろん、前身頃は衽も摘まんでお仕立てします・・・ちょっとした訪問着と同じ仕立て方です
白い笹をポイント柄にして、掛衿、胸元、肩、上前衽に配しました

一番大事なのは「衿元」です・・・上前も下前も市松になるように裁断いたしました(ここが一番ムズカシイです)

摘み衽の拡大写真です (クリックしたら画像が大きくなります)

師匠は大正生まれの職人で海軍上がり・・・一門の中で男弟子は四人おりまして、先輩は三番弟子、私は末っ子弟子になります(先輩とは私が高校生の時に知り合いましたが、いつの間にかお互いに60代になりました)
変わった仕事が入ると見に来て下さり、色々とアドバイスをいただきましたが、この夏に住み慣れた奈良を離れて、息子さんの住んでおられる東京に引越して行かれました
これからもお元気でご活躍されることをお祈りいたします

私がお仕立てした引き振袖を見に来られた時の先輩です

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