着物お仕立て&お直し com、一級和裁技能士の西澤伸弥でございます
いつもご覧下さり、ありがとうございます
お客様からのお問合せで「袷の訪問着を踊り用にお直しにしたいと思っています、比翼を取って、胴抜き仕立てにして、裄を1寸づつ伸ばしたいです、手が入る様に身八つ口も大きくして、繰越も少し大きく取りたいです」といった内容のご相談がございました
今回は「解き洗い+お仕立て」という内容で承りました
着物は殆どが決まった形をしています・・・違いは袖が長いとか、短いくらいでしょうか
そして、それぞれ表の生地の種類はあっても仕立て方としては、表地に裏が付くか付かないかで袷と単衣に大別されます
その中にあって「胴抜き仕立て」をご存知で、実際にこの仕立て方の着物をお持ちの方は少ないと思います
「胴抜き」とは読んで字の如く、胴になる部分に胴裏を付けないことです
そして、胴抜きにする理由は何つかあります
1.暑がりで胸元をスッキリとさせたい
2.表地の生地が厚かったり固かったりで着にくい
3.胴裏を付けると厚ぼったくなってしまうのを避けたい
以上が理由として挙げられますが、袷として仕立てたけど何だか着にくいと感じた時は、胴抜き仕立てを一度経験してみては如何でしょうか
そして「胴抜き仕立て」には二通りの仕立て方があります
袖を袷仕立てにするのと、単衣仕立てにする方法・・・それと胴部分に汗取りの胴裏を付けるのと、付けない方法があります
季節の変わり目に、袷から単衣に変わる短い期間に胴の部分だけを単衣と同じ状態に・・・また、単衣から袷に変わる期間にも同じ事が言えます
ある意味、季節の狭間に重宝な着物といえます
辻が花訪問着/プレタの特別お直し 東京都 K.H様
扇子柄の小紋袷衣/お仕立て 大阪市 H.S様